テキストサイズ

暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「なあに?相沢さんとデートでもするの?」

灰音がニヤニヤしながら言う。

「あのさ、前も言ったけど僕と相沢さんはそういう関係じゃないから。それに怒られるよ、相沢さんに。」

そう言いながらため息を吐く。

「でも、今、柊一がやってるガイドブックとにらめっこする男子学生っていう状況は彼女とのデートスポットを考える人に見えなくもないよ。」

「…彼女じゃなくて弟。」

「は?」

僕はサラリと言う。

「だから出掛ける相手。弟、希一だよ。」

「希一くん?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ