テキストサイズ

暗い少女は明るい少女?

第54章 ティリンスの答え

…と希一の足がピタッと止まる。

「希一?」

『な、んで』

希一の口がそう動く。
僕は希一の目線に目を走らす。
顔から血の気が引くのが自分でも分かった。
そこには僕が1番会いたくない人物。
もう許すことが出来ない、希一の声を奪った女性。

宮城百合。

しかし百合だけじゃなかった。
ハーフの青年が一緒だった。
執事のティリンスさんだ。
だが、そんなこと考えている場合じゃない。

「希一っ!」

僕の声に希一がハッとなる。
僕が手を引っ張ったことで僕の意思を理解したらしい。
逃げるが勝ちである。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ