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暗い少女は明るい少女?

第54章 ティリンスの答え

「兄さん!」

澄んだ若い男の子の声。
僕がずっと聞きたかった…声…。

「希一…」

希一が僕を支えながら言う。

「兄さん、何やってるんだよ!兄さんがいくら鈍くてもナイフが迫ってきたら避けれるだろ!何で逃げなかったんだよ?」

相変わらず酷い言い方だ。

「…言ったろ?お前は僕の弟だからって…。」

僕はお兄ちゃんとして…
…希一を守れたのかな?

「止血手当てさせて頂きます。」

そんな声がした次の瞬間…

僕の記憶は途切れた。

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