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｢百合が聞いてくれるか分からないけど、何もしないよりマシだし。っ！｣

僕は起き上がった瞬間、痛みがお腹に走り、また仰向けになる。

｢…傷はそんなに深くはないみたいだけど、まだ動かない方が良いよ。｣

｢…｣

僕は唇を噛み締め、押し黙る。

｢悔しそうな顔だね。｣

｢実際、悔しいんだよ。希一のために何も出来ない自分がね。｣

僕は大きく息を吐く。
ティリンスさんはそんな僕を見つめる。

｢全く、君にそこまで気に掛けられている希一くんがうらやましいよ。｣