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暗い少女は明るい少女?

第56章 今しか出来ないこと

「絶対に1人で行動するなってこと。お前もな、柊一。」

「は?何で?」

「男だからって拉致されない訳じゃ無いんだから。」

如月の言葉には一理あるが…

「なあ、如月、僕を何だと思ってる?」

「女みたいな可愛い男子?」

「如月っ!」

僕は如月に飛びかかろうとした瞬間、如月は避けると逃げ出す。
僕は如月を追いかける。
一発、蹴りをお見舞いしなきゃ気が済まない。

「ブッ!」

その追いかけっこを静観していた相沢さんが吹き出した。

「へ?」

「アハハッ!柊一くんも如月くんも子供みたい!アハハ…」

僕はポカンとしていた。

「柊一、アレ、冗談だ。」

如月が言う。

「冗談って、あっ!もしかして…」

僕は如月の満足気な顔を見て納得した。

「コレ、狙ってたんだな?」

僕はコソッと如月に言う。
如月は重たい空気を払拭するために僕をからかうという手に出たらしい。
結果的に相沢さんを笑顔にしたんだから、結果オーライだけど…

「なあ、如月、本当に冗談だよな?俺が可愛いってのは?」

「当たり前だろ。」

「…」

僕は恥ずかしくてそっぽを向いたのだった。

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