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それでも、私は生きてきた

第47章 預かりますよ

母の携帯をかりて、
小田さんに連絡をする。

携帯、身分証明類、通帳、印鑑…
全ての物を預けてある。


この先、
祖母の所に泊まったあと。
どうなるかわからない。

そのまま地元でやり過ごせるか。
また、新たな地を探し歩くのか。

もしくは…



はい、もしもし。

お久しぶりです。ユリ…です。





小田さんは、
普段、風俗嬢の「リナ」と呼んでいる。
本名をユリと知っていながら、ピンと来ない様子だった。



今、釈放されて母の携帯借りてお電話しました。


ああ!ユリ!わりぃわりぃ!



母の横で「リナです。」と名乗るのは躊躇った。
思い出したように、
小田さんが気付いてよかった。
と、内心ホッとする。



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