
それでも、私は生きてきた
第60章 空白の時間
諦めて、その場を離れようとした時
母が串焼きを、
1本下さい!
と元気良く声を発していた。
母は肉を好まない。
肉の味がする…と、普通の豚汁さえも嫌がる。
肉、食べれるようになったんだ。
そんな風にしか思わなかった。
母を置いて、餅屋の前で財布の中身を確認していた時。
はいっ!焼き立てくれたよ〜!
え?
食べて!
ニッコリ笑って串焼きを差し出す母が、とても可愛かった。
あぁ…ありがと。
素っ気なく受け取る私なのに、
ニコニコ嬉しそうに笑っている母。
串焼きを片手に、
財布から1000円札を取り出して餅屋に向かった。
ずんだ餅2個くださぁい。
1000円札をお店の人に渡そうと、
財布を脇に挟めて居る間に
お母さんも食べたいから出す!
素早く母が支払った。
笑顔でお釣りと餅を受け取った母が
車で食べる?
うん。
一言だけ返事をして
串焼きを齧りながら車に向かった。
ねぇ。串焼きと餅代、返すよ。
いいよ〜!懐かしいでしょう?お母さん、ユリに食べさせたいの。
ニコニコと笑顔を作りながらも、
不安そうな目をして母がじーっと
私を見つめた。
悔しかった。
母親として、必要以上に頼らない。
そう決めて、車に乗ったつもりだった。
でも、
この不安そうな目。
私が地元に居た時、
いつも母は、この目をして居た。
その目は
私が
させていたのだろう。
と、
咄嗟に感じて。
ありがと…。
そう答えるしか出来なかった。
母が串焼きを、
1本下さい!
と元気良く声を発していた。
母は肉を好まない。
肉の味がする…と、普通の豚汁さえも嫌がる。
肉、食べれるようになったんだ。
そんな風にしか思わなかった。
母を置いて、餅屋の前で財布の中身を確認していた時。
はいっ!焼き立てくれたよ〜!
え?
食べて!
ニッコリ笑って串焼きを差し出す母が、とても可愛かった。
あぁ…ありがと。
素っ気なく受け取る私なのに、
ニコニコ嬉しそうに笑っている母。
串焼きを片手に、
財布から1000円札を取り出して餅屋に向かった。
ずんだ餅2個くださぁい。
1000円札をお店の人に渡そうと、
財布を脇に挟めて居る間に
お母さんも食べたいから出す!
素早く母が支払った。
笑顔でお釣りと餅を受け取った母が
車で食べる?
うん。
一言だけ返事をして
串焼きを齧りながら車に向かった。
ねぇ。串焼きと餅代、返すよ。
いいよ〜!懐かしいでしょう?お母さん、ユリに食べさせたいの。
ニコニコと笑顔を作りながらも、
不安そうな目をして母がじーっと
私を見つめた。
悔しかった。
母親として、必要以上に頼らない。
そう決めて、車に乗ったつもりだった。
でも、
この不安そうな目。
私が地元に居た時、
いつも母は、この目をして居た。
その目は
私が
させていたのだろう。
と、
咄嗟に感じて。
ありがと…。
そう答えるしか出来なかった。
