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それでも、私は生きてきた

第65章 再会

父の元へ向かいながら、
父との思い出話をずっと語り続けていた。


ユリ、お父さんに会えるの嬉しいんだね


と、運転しながらも相槌を打ちながら
彼は聞いてくれた。



宿泊先に到着する直前のコンビニで、
父への手土産にビールを買った。



ナビの案内が終了した頃、宿の入り口に父が立って居るのが見えた。

昔と変わらない。
作業着の汚れたツナギを着て片手はポケット。
残りの片手はタバコを吸っている後ろ姿。


パパだ!あれパパだよ!

車の中で大叫びする私を見て、彼は笑っていた。


車が停車して、
勢いよく飛び出していった。


パパ!!!


おー来たか〜


照れ臭そうに笑う父は、

とてもシワが増えて
穏やかな顔をしていた。

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