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それでも、私は生きてきた

第67章 残酷な選択肢

否定な想いとは裏腹に、
もし、本当に授かっていたら………




食後すぐ、彼と検査薬を買いに出た。


トイレに閉じこもり、
緊張で手が震えたまま検査薬を使った。


説明書と検査薬の線を何度も。何度も何度も。

見比べた。



検査薬は、10代の時から何度も使ったことがある。


こんなにも心臓が激しく音を立てるのも、
こんなにも手が震えたのも、
こんなにも涙がこみ上げそうになったのも、

初めてだった。

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