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それでも、私は生きてきた

第71章 私は母になりたい

彼が居ない間に、
中絶費の安い病院を探し続けた。

その合間に、
手当たり次第の整形外科へも電話をかけ続けた。

全国問わず、
ネットの画面に映し出された電話番号をひたすら鳴らした。


足の病が発症してから、
全く治療らしい事はしていない。

発症時のような激しい痛みに襲われる事はなくとも、
重苦しい痛みには悩まされている。



以前、股関節の形成不全が見つかりました。治療やリハビリは全くしていません。妊娠しました。この足でも産めますか?子育て出来ますか?


対応してくれる病院は少なかった。

実際に診察をしていない状態では答えられない。

可能性だけでも教えて欲しい!と、
どんなに電話口で頼んでも
重大な事ですから…。
と、電話を切られるばかりだった。


1人で整形外科に向かう方法もなく、
無我夢中に電話を鳴らし続けるしかなかった。


その中で、
いくつか
あくまでも可能性としての話…
と、答えてくれた病院もあった。

答えてくれた全ての医者は、

妊娠途中に足の痛みが悪化する可能性が高いこと。
車椅子になる妊婦さんも居るとのこと。
出産後の子育ては環境次第だが、同じようなお母さんは家族の協力を得て子育てする人が多いとのこと。


一人では、難しいかもしれません。

との答えだった。

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