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ハルカ

第1章 ~プロローグ~

その日の仕事終わりは、悲惨だった。
皆にバカにされ、互いにバレバレなのに、気付かないのは本人達だけだと、森さんにも言われてしまった。
弘基君は、桐生君に『悠さんは俺のだから』と、なぜか宣言していた。
しかも、何故だか政基さんにフロアーの掃除を弘基君と2人でやらされている。


弘基『あのさ…まだ、この2階に住むの?』

悠『ん?もちろん。』

弘基君は、さっきからなにか言いたげだ。
でも、一体なんなのかは、わからない。

弘基『あのさ…悠って呼んでもいい?俺のことも呼び捨てにして??』

悠『うん。わかった!』

『・・・・・』

弘基『あっ、あのさ…』

悠『さっきから、どうしたの?』

弘基『いっいや!なんでもないよ。』

悠『へんなの。』

弘基『今日は、この後なにかある?』

悠『今日?今日は、もう寝るだけだけど、どうしたの?』

弘基『いや…あのさ~…』

悠『泊まってく?』

弘基『えっ?いっ、いや!』

悠『そう。』

弘基『あの~やっぱり、泊まっていい?』

悠『あはは。いいよ!』

弘基『じゃあ、早く掃除終わらせなきゃ!』


弘基君は、それが言いたかったらしい。
可愛い子だ。

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