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ハルカ

第4章 ~面影~

美沙side

彼女じゃない。
だけど、結婚する。

そんなの有り得ない。

最近おねぇな素振りをしなくなった政基さんを見て、ますます好きになった。

それなりに、恋愛経験は積んだ。
でも、政基さんみたいな人は初めてだった。


自分でいうのもあれだけど、私はそこそこモテる。
可愛いと自分でも思う。

今までは、好意を示せば相手から告白してくれたりした。
年上の人とも付き合ったこともある。


この店に来たとき、皆イケメンで働きたいと思った。
店の従業員は、男ばっかりで、私はすぐ店長の政基さんが気に入った。

ちょっとおねぇな感じがしたが、話しているのを聞くと、ただしゃべりがおねぇなだけで、恋愛対象は女の子らしい。

年はちょっと上になるけど、見た目で言えば、まだ20代半ばに見える。


だから、バイト希望と店長にお願いした。

そうしたら、『うち、あんまり女の子雇わないんだよね。』と言われた。
何でも、今まで3人雇ったが続いているのは、1番最初に雇ったキッチンの人で、後2人ホールで雇った女の子は、男目当てだったらしく、1カ月でクビにしたらしい。

その話を聞いて、ドキっとしたが、でも働きたい。

だから、『1カ月働いて、それから決めてください。お願いします。』

と、いつもの私じゃないほどお願いした。

初めは、難色を示していた政基さんも、『ん~…じゃあ、とりあえず1カ月頑張って!!』

と、優しい笑顔で言ってくれた。


その笑顔にやられたの。

だから、諦めるなんて出来ない。

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