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宗『あの事故にあった時の被害者が藤城弘基さんだよ。』

大翔『…悠とはどこで？』

宗『彼女には事故の直後に…ね…』

大翔『…』





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宗side

あの日。
当時付き合ってた彼女と飲んだ帰り、珍しく泥酔状態になった俺は自分の車を彼女に運転させて帰る途中だった。
もちろん泥酔状態の俺の判断でなく、ほろ酔い状態の彼女の判断だ。

酔って寝ていた俺に、事故の記憶はない。
ぶつかった衝撃と急ブレーキ、女の叫び声などで目を覚ますと、事故後の現場だった。

そこには、腰を抜かして地面に座っている彼女。野次馬。
遠くにサイレンが聞こえる。
　
そして、車の前に横たわる男性。
その男性の側で泣き崩れている女性。

その女性と目が合う。


何故かその女性から目が離せなかった。