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ハルカ

第8章 ~灰色の世界~

宗side

どのぐらい目が合っていたかなんてわからない。
多分実際は1分ぐらいかもしれないし、30秒かもしれない。
もしかしたら、一瞬だったかもしれない。

だけど、俺は長く感じたんだ。

泣き崩れて、顔もぐちゃぐちゃになりながら、周りなんて気にせず泣いている彼女の顔はキレイとは言えないが、俺は彼女のその顔に目が離せなかったんだ。


事故後しか会わず、後は保険屋や弁護士、警察を通してしか、彼女と接触する事はなかったが、あの彼女の顔がどうしても忘れられなかった。




事故の後、当時の彼女とも別れ音信不通になる。
あれから3年になる。


我が滝沢家では、この事故はなかったことになっていたんだ…

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