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ハルカ

第8章 ~灰色の世界~

大翔side


宗。
俺の義弟。
年は、3つ下。
宗と家族になったのは、今から12年前。

俺が14歳の時だった。 
宗が11歳。

見た目も幼く見えた宗を子供扱いすると怒った。
まだ、小学生の宗は身長も俺よりももちろん小さく、子供だったのだが、異様に子供扱いが嫌だったのだろうか…
『宗君』と呼んだ親父に『くたばれ!この野郎!!』と叫んだのだ。


後になって聞いてみたら、母親の再婚に反対だったらしい。


中学生になった宗は、段々と悪い輩とつるむようになった。

制服の学ランを着崩し、黒髪は金髪に近い色になり、外泊が増えた。
その頃の宗とは、ほとんど顔を合わすことがなかった。


高校を卒業した俺は、電車で通える専門学校に進学したが、1年経って家を出た。
親父が少し気がかりだったが、あの家には居たくなかった…

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