
妄想でいず、暴走中。
第3章 君と、となり。
「矢浪君は、好きなものとかある?」
休み時間、勇気を出して自分から矢浪君に話しかけてみた。
「…魚介類かな」
矢浪君はちょっと考えてから答えた。そっかぁ、矢浪君は魚介類が好きなのかぁ。
「かわいいよね、魚介類」
「日向も魚介類好きなの?」
「うん、ペンギンとか好きだよー」
あれ?ペンギンって魚介類で合ってるのかな。まぁいいや。
矢浪君はまた少し考えてこう言った。
「水族館、行く?ペンギン見に。」
「へ!?…いいの?」
「あぁ、久しぶりに魚介類見たいし。なんなら俊介と有薗も誘って…」
「あー水族館!?魚介類!?いいねぇ!!」
矢浪君が言いかけたところで、いつから居たのか、白柏君がテンション高く叫んだ。
「ところがどっこい!!俺と結愛は魚介類アレルギーなので水族館には行けません!なので二人で行ってらっしゃい!な、結愛!」
「え!?あ、そうそう、魚介類アレルギーね!魚介類アレルギーだから行けないね!」
あははっと二人が乾いた笑いをあげながら勢いよく言う。
結愛が魚介類アレルギーなんて、小学生からの付き合いなのに初めて知ったよ…!
