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妄想でいず、暴走中。

第3章 君と、となり。

えぇと、ということは。
矢浪君と、二人きり?


「えっと…じゃあ二人だけになっちゃうし、やめとくか…?」


矢浪君が控えめに言う。


「は!?何でだよ!行ってくればいいだろ!」

「そっ、そーだよ!せっかくなんだし二人で行ってきなよ!」

それを聞いてなぜか白柏くんと結愛が必死になる。
唇を付き出して騒ぐ二人を矢浪君が軽く睨んだ。


「あーもう、おまえらは黙っとけって…日向は、どうなんだ?」

「私…?」


私は…、せっかく矢浪君と友達になれたんだし、もっと矢浪君のこと知りたい。


それに、実はずっと『水族館デート』というものに憧れていた。
妄想ノートにも『水族館で王子様とデート』というシチュエーションが何回か登場するぐらいだ。



「えっと…矢浪君さえ、良ければ…」


小さく呟くと、ぱぁっと笑顔になる白柏君と結愛。そして固まる矢浪君。


「おら蓮!固まってないでちゃっちゃと日時決めろ!」


そんな矢浪君の背中をばしーんっと叩く白柏君。


「あ、あぁ…じゃあ、今度の日曜日に、駅に集合で…。」

「うん…わかった!」



こうして、私と矢浪君の水族館デートが決まった。

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