
夏の秘密
第26章 文化祭
夏「世の中には自分とそっくりな人間が
三人いるっていうけど、あれ本当だった
んだね」
総一郎「…そうだな」
晴と会った事
ちゃんと伝えるべきか迷ったが
夏は晴を晴と気づいてない様子だったし
話したら
今以上に晴への想いを強くし
自分から離れてしまうのではと不安にな
り
話す事が
出来なかった
総一郎「…ごめんね」
夏「えっ?」
総一郎「ごめんね…夏…」
夏「先生…」
総一郎「…ごめん」
理由も言わず
夏を抱きしめ謝り続ける総一郎
体は震えていて、その表情も辛く悲しそ
うで
その理由を聞く事は
出来なかった
総一郎「…」
夏「…」
晴、風太、勇助
三人と比べ自分が欠けている部分
それは自分には子種が精子がない事だっ
た
まだ先の事
総一郎の願望だったが
将来、結婚を意識し考えた時にその事が
夏や夏の家族にどんな影響を
与えるか…
もちろん
子供だけが全てじゃないし
自然妊娠が無理でも子供を授かる方法は
いくらでもある
でも…
