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夏の秘密

第30章 大好きだけど大嫌い



巧「勇助は?」

母「部屋にいるわよ、あっ」

勇助「…兄ちゃん」

巧「久しぶりだな、勇助」

勇助「…うん」


兄に会うまでは
あんなにドキドキしていたのに
兄弟とは不思議なもので顔を合わせ話し
てしまえば
あの頃に
仲が良かった頃に戻ったように
普通に話す事が出来た


母「ご飯出来たから、お父さんも呼んで
一緒に食べましょう」

巧「俺もう腹ペコペコ…」

勇助「…俺も」

母「いっぱい作ったから、たくさん食べ
てね」

勇助「うん」


その日
久しぶりに
実に数年ぶりに家族四人で夕食を食べた
久しぶりに食べる、おふくろの味
慣れ親しんだおふくろの味に
勇助は嬉しくて
涙を流した


勇助「…うぅっ…うっ…」

父「勇助?」

母「ちょっと…どうしたの?」

勇助「…こうやって…家族で食べるの…
久しぶりだから…嬉しくて…」

巧「勇助…」

父「勇助、いつでも帰ってこい、俺達は
家族なんだから、なっ」

勇助「…うんっ!!」


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