テキストサイズ

夏の秘密

第30章 大好きだけど大嫌い



勇助「勉強、スポーツ、どんなに難しい
事でも簡単にこなす兄ちゃんが羨ましく
て大嫌いだった…俺はこんなに頑張って
るのに、どうしてって…」

巧「…知ってる」

勇助「!?」

巧「俺のせいで勇助がずっと、我慢して
た事は知ってる、俺を嫌ってた事も」

勇助「兄ちゃん…」

巧「ごめんな、勇助…」

勇助「違う…違うよ!!兄ちゃんが悪い
ワケじゃ…」

巧「俺も同じだったから」

勇助「えっ?」

巧「俺もお前が羨ましかった」

勇助「何で!?だって兄ちゃんは…」


勉強も運動も
何でも完璧にこなす兄だった
そんな兄が自分を羨ましがるはずがない
自分は兄に勝てる事など
一つもない
そう思っていた
でも…


巧「勇助は昔からクラスの人気者だった
だろう」

勇助「…まあ」

巧「誰とでもすぐに仲良くなれて話せて
そんな勇助がずっと羨ましかった、俺は
そういうの苦手だから…」

勇助「兄ちゃん…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ