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私のH

第9章 8人目

『ねぇ。さっきの一樹さんとならいいですよ。ってのは…?

やってもいいってこと?

それともホテルに行ってもいいってこと?』

一樹さんは私を見つめていた。

またあの目…。

見透かすようなお兄ちゃんに似た目…。

『えっ…と…。』


私は下を向いていた。


本当は一樹さんとしてもいいって意味…。

でも言えなかった。


『さっき、なんで俺が一成の兄貴って分かったの?』

『あっ…あれ…違うんです。

一樹さんが誰かに似てるなぁ…って思ってて…。

お兄ちゃんに似てるんだって思ったらつい…』

一樹さんはまた笑った。

『やっぱり梨乃は面白い。』

ーー梨乃?呼び捨てにされた。

と思うと胸がドクンと強くはねた。

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