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私のH

第6章 六人目

『高倉さん。
好きなんだ。
付き合ってくれないかな?』


ーードクン。
心臓が高鳴った。

私は…。
おにいちゃんが好き。

でも…
叶うわけない…。

付き合っちゃおうかな…。

でも…。

『ごめん。
好きなひといる。

その人とは、絶対付き合えない…』

私は、おにいちゃんを思いながら、
『絶対に付き合えない』って口にした。

自然と私の目から涙が出た。

私がおにいちゃんを好きでも、怒る以外に話しかけられることなんてほぼないから…。

私は…。
嫌われてるから…。

『けど…好きなの。』

私が泣くと優しく抱きしめて頭をなでてくれた。

『その人のこと好きでもいいよ。

それでも付き合って欲しいって言ったらだめかな?』

ーーえっ?

思ってもみない返事だった。

『田中君が…きついだけだよ?』

『それでも…高倉さんの彼氏になりたい。

こうゆう風に泣きたいときに、側にいたい。

一人で泣かせたくない。』

私は優しく抱きしめられたまま優しい言葉を次々かけられていた。

すっかり涙も止まってるのに抱きしめられたままだった。


『ねっ?付き合って。』

私はコクンと頷いてしまった。

田中君はその返事に嬉しそうに笑っていた。

その顔が可愛かった。

このまま…本当に田中君のこと好きになれればいいのに…。

と思いながら田中君を見ていた。

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