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乾いた空

第1章 一章




今はこの時間がとても温かく感じた。



お互い名前すら知らないのに。


名前すら知らないから、良いのかもしれない。


名前、年齢、出身という無意味な鎧は全て捨てて"自分という時間"を楽しみたいと思ったが、相手は少女で、もしかしたら家の人が心配して探しているのかもしれない。という不安が脳裡に走った。



そうしたら、
僕は調べられてしまう。



一気に寒い現実へと引き戻された。





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