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乾いた空

第1章 一章




夜空は昼間の過ぎた出来事も今も全て包み隠すようだ。


でも、月だけは自分をずっと見ているようだった。


何とか車に着き、少々を助手席に乗せて、シートに座ってはエンジンをかけた。

夜空に景色に馴染むように目立たない、これと言った特徴の無い、真っ黒い軽自動車だ。


いつもは死体を運んでいる筈の車は珍しく、生きた人間を運んでいる。
しかも、車は逆方向へ向かっている。


真っ白いガードレールが、まるで道を誘導するかのように白い線を描いていた。

少女は空を眺めていた。


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