乾いた空
第1章 一章
たまにこの時間は死体を解体している時間だ。
死後硬直してから切断しても血は垂れない。
念のために手足の指紋を全て削いでは歯形を調べられないように、顎をくり貫き、頭皮を削ぎ落とす。
これらのものは全て砕いては溶けるまで焼く。
髪の焦げた臭いが鼻につく。
関節から外しながら切断し、更にバラバラにし、ミンチにする。
自分と同じ人間の筈なのに、死臭のするマネキン人形を解体している感覚になる。
先程まで生きていた、笑ったり、怒ったたり、泣いたりしていたなんて考えたことも無かった。