壊れた御守り
第11章 夢と現実
秋が来て、だんだん涼しくなってきた。
勉強するっていうことにだいぶ慣れてきたのか、
模試の結果も、定期テストもかなり良くなっていた。
「小南、先週の模試も伸びてたなぁ。医大も夢じゃないかもな!!」
先生に呼び止められるのも
前みたいに怒られるんじゃなくて
進路や成績の話をされることが多くなった。
クラスのやつらからみた俺の印象も変わったみたいで
前ほど、クラスで浮かなくなった。
俺はあれから、
麻美の病院と学校を行ったり来たりしていた。
俺の前じゃあいつ、いつも元気そうだけど
学校には来れないのかななんて思ったりする。
「麻美」
「お帰り。慶ちゃん!!」
「模試、また順位上がったんだ」
「すごい!!慶ちゃん、急成長だね」
麻美に喜んでもらえると嬉しいんだ。
だからかな?
俺が、こんなにも頑張れるのは。