壊れた御守り
第11章 夢と現実
北條暁-
あいつは本物の医者だった。
小南慶太-
俺は何も出来ない
ただのガキだった。
夢と現実-
俺が医者になり、麻美の病気を治すということはただの“夢”であり
あいつがいずれ麻美の病気を治すということが“現実”なんだって
無理矢理にでも理解した。
そうじゃないと、まだバカみたいに夢を見そうだったから。
なぁ、麻美。
ごめんな。
今まで俺は、お前を苦しめてきた。
もう、お前のとこにはいかない。
ごめんな。
しょうがないんだ。
俺のわがままを許してくれ。
約束の日だけは、あの場所にいってもいいかな。
どうか、君の病気が早く完治しますように。
さよなら。麻美。
さよならなんて、出来ないくせに
さよならなんて
絶対に、言えないのにさ…