壊れた御守り
第12章 土下座
「小南、先週の模試はどうした?前みたいな成績とったりして。疲れたか?」
「や…もういいんだって」
「なんだって?…お前、大丈夫か?」
あれから、俺はまた前のように戻ってしまった。
大志たち不良グループとまた連むようになって
参考書や教科書を引き出しの奥に追いやり
漫画や雑誌を引っ張り出すようになった。
喧嘩をふっかけたり、逆にふっかけられたりもした。
毎日顔に傷を作って
ぶらぶらと過ごしていた。
健太が心配そうに俺に近づくんだ。
「慶太、何してんだよ!?こんなとこで。早く帰れ。休んだ方がいい」
「うるせぇな。ほっとけよ」
黙ってくれないかな。
頼むから。
俺はもう
いいやつでいるのはやめたんだ。
だから…。
あれから、病院にはいっていない。
家までの道のりに病院が遠くに見えるから
遠回りをして帰るようになった。
ほんとに、俺どうしたんかな?
なんで、こうなった?
忘れようとしてもダメだった。
毎晩、麻美を思い出すんだ。
北條の言うように
“忘れる”とか“諦める”とかは出来なくて
俺はそのもどかしさを埋めるように
どんどん、どんどん荒れていったんだ。