壊れた御守り
第13章 殴られた痛み
沈黙を破ったのは凌華だった。
「つまんないなぁ…。友達はみんな塾かカップルでデートだし、
健太くんは綺麗な女の子連れて遊園地だし…」
「遊園地…?」
「そう。あの人、健太くんと遊園地大丈夫かな?
健太くんについていけるとは思えない!!」
俺は凌華の言葉に、違和感を感じた。
ついていけるとは思えないって…
なんで?
「なんだよそれ。健太、なんかあんの?」
俺が聞くと、凌華は頬を膨らませて話し始めた。
「そーなの!!あの人、コーヒーカップもジェットコースターも、何回も乗りたがるから大変!!それに…-」
殴られた頬が次第に痛み出す。
気づくと俺は走り出していた。
「あっ、ちょっと…慶太くん!?」
だめなんだよ…
だめなんだって、健太。
麻美は…
麻美は…!!!
「麻美…っ!!」
雪が降る。
俺の足は一番近くの遊園地へと向かっていた。