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壊れた御守り

第14章 Happy birthday


「なんで…麻美……」




「覚えてるかな?あたし、慶ちゃんに誕生日何が欲しいか聞かれたでしょ?
慶ちゃんはあたしに欲しいものをくれた。あたしの願いを叶えてくれたから…」



“慶ちゃんと一緒にいられれば”





「慶ちゃんがいなくて寂しかった。
苦しかった。
あたしのこと、もう嫌いになったかと思うと辛かった。だけど、いい。

慶ちゃんが今ここにいるからいい」




嫌いになんてなるわけねぇよ。



そんなこと絶対ない。



「誕生日、おめでとう…麻美」



「慶ちゃん?」



顔が見られないように、麻美を抱きしめた。


こんな顔、見られたくなかった。



こんな、涙でいっぱいのかっこ悪ぃ顔…。



「おめでとう。誕生日おめでとう…っ!!
麻美、ごめん。ほんとごめんな…」




泣いてるって、わかったかな?



震える声だけはどうしても抑えられなかった。



最高の誕生日にしようって言ったはずなのに、こんなかっこ悪くて…。



だけど俺は、言い続けた。



誕生日おめでとう。麻美。



こんなに、こんなに苦しくても



産まれてきてくれてありがとう。



俺と出会ってくれてありがとう。




Happy birthday




麻美。




































なぁ、麻美。







信じてほしいんだ。









俺は麻美が好きだよ。







どのくらい?って聞かれても














言葉で表せないくらい













お前が大好きで大好きで、しょうがねぇんだ。













好きだよ。











それだけは、伝わってくれるといいな。














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