壊れた御守り
第16章 麻美と凌華
麻美の病院に行くために、俺は着替えて準備を始めた。
その横で、ちょこちょこと凌華が手櫛で髪を整えたり、
大きい服を懸命に着やすくしようと直していた。
「長嶋。何してんの?」
「えっ…私も……」
もしかして、ついてこようとしてる?
絶対そうだな。
だからさっきから部屋を出て行かなかったのか。
「…一緒に来るか?」
俺が声をかけると、凌華は目を輝かせて頷いた。
2人で家を出て、ゆっくり歩き出す。
「なぁ、長嶋」
「何…?」
「あのさ、麻美…浅野とは初めて会うんだよな?」
俺がそうきくと、凌華は意外にも首を横に振った。
「私、麻美ちゃん…知ってるの」
「は?」
「昔、麻美ちゃんと同じ病室にいたことがあるの」