壊れた御守り
第17章 人を助ける手
凌華の家に行くと、どうやらあのおじさんは留守のようで
近所の人に聞いたらおじさんはついさっき車を走らせたばかりらしかった。
…まぁちょうどいいか。
凌華に書いてもらったメモを頼りに、必要なものをつめていく。
なんか、凌華の許可は得てるけど
俺、不審者みてぇじゃね?
早くまとめて帰ろう。
近所の人に不審がられると困るし。
もらったメモを再度確認した時だった。
「え…?」
メモの一番最後に
一際小さく書かれた“写真”の文字。
凌華の部屋を見渡すと、写真立てが一つおいてあった。
おじさんと、中学の制服を着た凌華の姿。
凌華、なんでこんな写真なんか…。
だってあいつ、このおじさんに良い思い出なんてねぇだろ。
俺が写真をじっと見つめていると、玄関が開く音がした。