壊れた御守り
第18章 家族
リビングに入ると、食卓のテーブルに向かい合わせで座っていた2人が俺を見た。
「慶太くん…」
「こら!あんたは何盗み聞きしてんの!!女の話に入ってくるもんじゃないよ!?」
「いっ…てぇな!!何すんだよ!!てゆか、こんな時間に女の話すんじゃねぇよ」
え?何?
母さん、俺が聞いてたって知ってんのか!?
「どうせ凌華ちゃんがどうするか気になって入ってきたんでしょ」
「う…るせぇなぁ!!そんなんじゃねぇって!たまたま、たまたま帰ってきたらそうなってただけで…」
「慶太くん…」
俺が喚くと、凌華が立ち上がって俺のそばに来た。
「長嶋…?」
「ありがとう」
「ありがとうって…」
「今日から娘が増えたから!あんたのこと構えなくなるけどごめんね」
母さんが楽しそうにそう言って凌華の肩を寄せた。
凌華は顔を赤くして俯いた。
娘って…もしかして…。
「慶太くん、よろしくお願いします」
凌華、うちに住むことになったんだ。
俺は凌華がこれで安心すると思うと嬉しくて
母さんがからかったことなんか忘れていた。