壊れた御守り
第19章 再出発
「おい、健太。いつまで寝てんだよ」
朝になって、制服を着ながら健太を起こす。
健太は寝ぼけながら俺の声を遮るように布団を被った。
「いい加減起きろよ!今日は俺ら登校日だろ?」
「慶太…。今冬休みなの、忘れたのか?」
なんて、寝ぼけてんのにドヤ顔で諭すように言われる。
「バカ。冬休みは明後日でお終いだし、今日は模試の日だ。忘れてんのはお前だろ」
「模試…模試……っあぁ!やべぇ、模試じゃん!」
だからさっきからそう言ってんのに。
「慶太ー?健太くーん?ご飯できたよ~」
下から母さんが呼んでいた。
俺はとりあえず予備の制服を健太にやって準備をした。
「マジ助かるわ。サンキューな」
「いいからさっさとしろよ」
「了解!」
模試か…。
勉強を随分前にやめてから、初めての模試だな。
勉強してないのに受けるなんて、変かな?
変っつぅかふざけんなよって話だよな。
健太は何気に勉強してたし
俺だけだな。本当に止まってたのは。
「慶太?支度できたぞ?おばさんの飯、食べようぜ」
いつの間にかドアの前にいた健太に呼ばれ、我に返る。
「おぅ…」
俺は鞄に筆記用具を投げ入れて返事をした。
模試…かぁ。