壊れた御守り
第19章 再出発
学校で定期的に行われる模擬試験。
俺と健太はそのために学校へと向かった。
「もう冬休みも終わんのかぁ」
健太が欠伸をしながらそう言った。
「のんびりしすぎだろ。お前って大学どうすんの?」
「あー?俺、大学じゃなくて専門なの」
「え?んじゃなんで模試なんか受けんだよ」
一年生の頃は東大志望じゃなかった?
なんでまた…
ていうか何の専門だよ。
俺がびっくりしていると、健太はだるそいに歩いて口を開いた。
「や。ちょっとなー…」
珍しく。
健太にとってはすごく珍しくはぐらかした。
「あっそ。んで、何の専門だよ」
「…カメラ」
「え?」
「写真学科の専門だよ」
写真…!?
健太がカメラマン志望!?
「なんで急に…」
「慶太ー。早くしねぇと遅れんぞー」
「え?あ…おい、待てよ!!」
一番の親友の突然の進路変更に
俺は驚きを隠せないまま模擬試験に臨んだ。