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壊れた御守り

第4章 心配

「んー。ひさびさの外だぁ」



「おい、麻美。あんまはしゃぐなよ」



高2の春。
あれから1年がたった。



「いいのー。てかさ、慶ちゃん」



「なんだよ…」



「慶ちゃん、いつの間にかあたしのこと、“麻美”って呼ぶようになったね」




確かあの時からだ。



『麻美!!』





「わ、悪いかよ!?だったら戻すからいいよ」



「えー。そのままでいいもん。てかあたし的には…」



「ごちゃごちゃうるせぇ!!ば…」



「あれ?言わないの?」



俺は黙って麻美の頭に手を置いた。




「学校、遅刻するから乗れ」



自転車に跨がり、後ろを示すと、



麻美は笑って飛びついてきた。



あー。もう。




こいつ、素でこんなやつだから対応に困る。




「しっかり捕まっとけ」




今日は麻美の始業式。



2年生になって、初めて学校に行く日にはふさわしい、いい天気だった。



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