壊れた御守り
第4章 心配
学校につくと、麻美は立ち尽くした。
顔を覗きこむと、難しい顔をしていた。
「どーした?もしかして怖い?」
そりゃ当たり前か。
みんなは病気のことなんて知らない。
ただ学校をサボってたやつ
って、そう思われてるんだ。
そんな学校に足を踏み入れることは
誰だって恐怖だ。
麻美は俺の顔をじっと見つめて笑った。
「んなわけないでしょ!!どうやって挨拶するかシュミレーションを…」
ほら。
いつだってこいつは隠すんだ。
自分の弱い部分を…。
「んなもん適当でいいんだよ。さっさと行くぞ」
「慶ちゃん、ひどい」
「知ってる」
俺は麻美の手を引いて前を歩いた。
強がる麻美を見るのは、少し嫌なんだ。
だってその後、必ず切なそうに笑うんだ。
麻美は、隠し切れてると思ってるから
気付かないフリをしてるけど。
そんな麻美を見るのは嫌なんだ。