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壊れた御守り

第4章 心配


ある日の昼休み、



男子体育委員の岡田潤平が教卓前で両手をついた。



「もうすぐで体育祭だ。今年は優勝目指すぞー!?」




「もぅそんな時期か…」



「慶ちゃん、体育祭って何やるの?」



隣の麻美が俺の制服の袖を引っ張る。




そういえば、去年はこのあたりで…。




「去年参加しなかったもんな。体育祭はリレーとか障害物競争とか、綱引きとか?」




あとはなんだったかな。



必死に去年の記憶を探る。



「面白そう」



「てか、参加できんのか?一応病院の先生に確認…」




「だーい丈夫!!あたし何に出ようかな?」



「簡単なのにしろよ。麻美」



「わかってまーす」



麻美は嬉しそうに黒板を見つめた。


心配…だな。


もし発作がおこったら?


俺しか知ってるやつがいないのに



俺は対応できんのかよ…。


かといって、心配だから麻美には出るな、なんて言えない。



「んじゃあ…小南、決定な」



「あぁ………って、は?」



気付くとクラス中から拍手がきた。



「何?何が決定なんだよ」



「聞いてなかったのか?リレーはお前に任せるな?」



リレー?


嘘だろ?


一番めんどくさい競技じゃんか!!

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