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壊れた御守り

第8章 告白と夢



「慶……ちゃん?」




言ってしまった。





絶対に言わないって思ってたのに。







気づかれないようにしようって思ってたのに。








だけど言うしかなかった。







じゃないと麻美が、俺の前から消えてしまいそうで…。






「俺さ、初めはお前のこと、超ムカつくやつだなって思ってたんだ」




「え?」





「だけど、なんかだんだん気になって、お前が初めて倒れたあの日から、
お前のこと、守ってやりてぇって思った。たぶんもうそのときから好きだったんだと思う」






「慶ちゃん……」





「だからさ、麻美。お前、嫌なこと言うなよ」




「……」



「離れるとか、自分なんかとか、そんな悲しいこと言うなよ」





俺が言うと、麻美は俺の回した右腕を抱きしめ返した。




ぎゅっと、強く握る麻美。





「だから俺は幸せだよ。お前がいてくれれば、それだけで幸せなんだ」





ずっと、気づかないふりをしてきた気持ち。



一度口にしたら、次々に思いが溢れてきて、



恥ずかしいとか、そんな感情は全くなかった。




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