壊れた御守り
第8章 告白と夢
風が冷たく、それでも優しく通り過ぎる。
「麻美、好きだよ。好きだ。それでもお前は、俺のそばにはいれない?」
ずるい質問だと思った。だけど、今の俺にはこんな言葉しか思いつかなくて…。
麻美は俺の腕にしがみついて、ポツリと信じられないようなことを言ったんだ。
「あたしで…いいの?」
「えっ?」
「あたし…。死んじゃうかもしれないよ?
慶ちゃんを残して、いなくなっちゃうかもしれないのに…
いついなくなっちゃうかもわからないのに…」
麻美がその言葉を口にした時、俺は決心した。
「麻美!俺っ!!」
見つけた。
俺の夢…。
「俺……
医者になる」