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壊れた御守り

第2章 出会いと異変


『小南くんって、性格悪いと思うよ』


『そういうアンタも性格悪ぃなぁ、浅野麻美さん?』


そんな言い合いが起こったのは数分前。

俺らが騒いでたところに、浅野麻美っていうクラスの女子が俺の前に現れた。



そして真っ直ぐ見つめて言ったんだ。




『っとにムカつく。なんなんだよあの女!!』


『まぁまぁ。落ち着けって、慶太』


こんなん言われたのは初めてで、


これまでにない位腹立った。


俺といつもつるんでる、橋本健太が俺を宥める。


『浅野ってさぁ、結構体、弱ぇじゃん?だから大目にみてやれよ』


体が弱い?


風邪ひきやすいってこと?


それと俺に楯突くのと何が関係あんだよ。


〈だから罰が当たったのかもね…〉


ふと、思い出した。


彼女の小さな言葉を。



『浅野にはなんかあるな…』


『え?慶太、どうした?まさか気になっ…-』


『だぁほ。違ぇよ。ただ…』


ただ、知りたかっただけなんだ。


浅野麻美という女の子を。


それって、今思えば

この時から俺は麻美のことが好きだったんだと思うんだ。


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