壊れた御守り
第10章 プレゼント
「おめでとう~!!」
「は?」
学校に行くと、クラスのやつらが気持ち悪いほどニコニコして俺のそばに来た。
「だから、浅野と小南、彼氏と彼女なんだろ?」
「花火大会、一緒にいたじゃない」
見られてたのか…
つか、声かけろよ。
「橋本が今朝教えてくれた」
健太かよ…。
どうせこの中に紛れてんだろ?
あいつ…。
「おい、健太!何しょうもないこと言ってんだよ」
「あれ?いたのバレた?」
健太がおどけたように俺の前に出た。
「花火大会は言ったけど、付き合ってねぇよ」
俺が言うとみんなは残念そうに叫んだ。
「両想いなんじゃないの~?」
「ま、まぁ…告ったけど……」
次は黄色い悲鳴が飛び交う。
なんだよこいつら。
うぜぇ。
「あれ?浅野さんは?」
「風邪で休み」
なーんか、煩くて集中出来ねぇ。
ただでさえ今から医大を目指すなんて無謀すぎなのに
こうあれこれ構われちゃあ勉強になんねぇよ。
俺は屋上で自習の名目で勉強することにした。
麻美、入院だってさ。
せっかく最近調子良かったのになぁ…。
早く学校来れるようになればいいな。
そう思っていると、屋上のドアが開いた。