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永久の国のアリス

第2章 狂った世界と狂った住人と。

「 ドとレとミとファとソとラとシの音が出なーい!ドとレとミとファとソとラとシの音が出なーい!パパも大事にしてーたーのに!見つけられたらおこられるー♪」
「クククククッ、酷い歌だ。作曲者も気が来るっているクククククッ」
「Mr.アリス!一緒に歌おうよ!オーパッキャマラドパッキャマラドパオパオパンパンパッ♪」

 こんな幼稚な歌を僕が歌うわけないであろう、僕は高校生だぞ。
 高校生...そうだ僕は学生だった、死ぬまでは。
 ...僕は死んだのかな、死んだのならここは天国だろうか?
 永久の国とゆうのだから死後の世界であるのかもしれない。
 まぁ、生きていた頃の僕は目標やゆめも無かったからこれで良かったのかもしれない。
 ここは未知の世界だ、何か昔よりは楽しい毎日が送れるかもしれないし。
 しかし現状は全くもって楽しくなどはなく、怯えたり悲しんだり辛いことばかりだ。

「Mr.アリス...お願いだから無視をしないでちょうだい」
「いいか、Missアリス。人は学び記憶し生きるために成長しなければならない」
「う...?」
「子供だからわからない、子供だからできない、それは良くない。ほら大きなイモムシの根城、双子が歌うステージ。良く周りを見て記憶してゆんだ」
「...うん?」
「覚えたらまたここに来ることができる」
「うん!そっか!そうだね!!わたし、双子と遊ぶの好きだもの」

 怒らず優しく教育した僕を誰か誉めてくれ、チェシャ猫は目を丸くするばかりでつまらない。
 それからMissアリスは面白いことに瞳を左右あちこちに張り巡らしている。
 まぁ、これで善きかな...否やもう少し後押ししたほうが善いか。

 僕は光るキノコにMissアリスを乗せて彼女の顔をその身体に向ける。
 チェシャ猫はヒラリとその横に並びくつろいでいて、何とも恐ろし絵図だ。

「Missアリス、クラリネット何だか知っているか?」
「音が出るなら楽器だと思う」
「ご名答、チェシャくらい大きな楽器だ」
「大きいのね!」
「クラリネットにはいくつも音が出るボタンが付いていてドレミファソラシドの音が出るボタンの間隔1センチ」
「ウンウン、チェシャのシマシマくらいね!」

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