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永久の国のアリス

第2章 狂った世界と狂った住人と。

「まず、改めて自己紹介し合いましょうか」
「はい、僕は有栖川政宗です。年は17歳の学生でした。おそらく僕は死んでいます」
「私は九三樹三郎(イチジクミキサブロウ)とです。年は34、死んでいるかは定かではありません」
「素敵なお名前ですね。三樹三郎って新撰組の隊長ですよね。あの一字の九って書くイチジクですか?もしや...」
「ええ、九の三男になります」
「九製薬さんの医薬品部門に少し興味がありまして。と言ってもまだ医大にも通ってませんが」
「嬉しいですね、もし私たちが生きていて戻れるなら研究者でも開発者でも医者としても採用します」
「あはは、助かります」

 それから日常の話も盛り上がってきたところで話は本題のこの世界についてだ。
 この世界で最も信頼あ値する人物に出会えた僕は何を聞いても信じるつもり。
 だって彼は唯一の僕の知っている世界の人間だから。

「ねぇ、ヤマネ。この二人はマーチたちよりも頭が狂ってるきゃははっきゃははっ」
「オイラもそう思うじゃん!」
「放っておきましょう、彼らは気にしたくても大丈夫。直ぐに忘れますから」
「ああ、狂ってるとはそういう意味ですかね」
「そうでもあると思います。...さて、どこから話しましょう?私のわかる範囲でしか答えられませんが。とりあえず私の知らないことを先に伝えます」
「お願いします」
「まず、この空間が何処なのかを知りません。なぜ永久の国かお菓子で出来ているのかわかりません」
「...なるほど。質問していっていいですか?」
「ええ」
「住民と生き物の数をお願いします」
「ハートの女王、公爵婦人、公爵婦人のペットチェシャ猫、グリフォン、イモムシ、双子の子供、3月ウサギ、ヤマネ、白ウサギ、亀、アリスに私と政宗くんです。外にはバグと死神ですね」
「皆の出生は?」
「ハートの女王、双さんの子、公爵婦人はわかりませんが恐らく人間かと思われます。後はこの国でも生まれた生き物でしょう」
「なるほど...僕の仮説、聞きますか?」
「仮説ですか?君はまだ来て間もないのに既に仮説があるのですか!」


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