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永久の国のアリス

第3章 女王さまに会いに行こう!

 そしてようやく城が見えてきて、僕は覚悟を決めなければいけない。
 何を見て、何を言われ、何をされても動じない覚悟を。
 だって女王さまは絶対なんだろう?西園寺。

ザッザッザッ

ザッザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

 何の音だろうか、人とは違う何かの足音が聞こえる。

「かかれぇーーーーーーーーー!!!!」
「公爵婦人!?また女王への点数稼ぎね?!Mr.アリッッッキャアアアアアッ!!!」
「...トランプ...?えっ??危ないっっっ!」

 槍を持ったトランプたちが列をなし、公爵婦人と呼ばれた女性の指示に従い動く。
 轟!と風が唸るようにトランプを鳴らし勢いよく迫ってくる。
 狙いは...僕じゃなくMissアリスアリスだ!案ずるな!臆するな!僕は痛みを感じない!届け!間に合え!

ズザザザザザザッ

 僕はMissアリスを腕の中に抱え込み、トランプが僕に刺さり幾本もの槍が僕を貫く。

「Mr.アリス...大丈...夫?」
「大丈夫、だって僕らは同罪なんだろう?...なら僕が刑を受けるから小さな君が無理をすることはない..痛みはないから...大丈夫だ」
「うあああんっあーーーーっうあん、えうっ」
「...泣くなよ」
「えううっだってだってうあああんっ」

 僕は彼女を腕に抱え、トランプが攻撃してこようと気にせず前に進む。
 まさに白い薔薇の蕾が如く純潔、Missアリスの涙が本物の子供の涙のようにきれいすぎたことだけが悩ましい。

「どけよ、ババア」
「アリスをつき出すのはワタクシよ!」
「僕はお前とは違う、招待状を持っている」
「ちっ、...新入り風情が。役職はなんなんだいっ」
「僕もアリスさ」
「アリスだって?!」

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