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夏の夜のような

第8章 一休み

まずは「ボクのお話」から。

あの詩はお恥ずかしい話ではありますが自分自身を多分に投影したものです。

学校、職場、どこでもそうだと思いますがある程度中心に立つ人物がいると思います。

スポーツができる人や仕事をできる人。

それらのいわば主人公と呼べる存在を私はひどく疎ましく思っていました。

もちろんスポーツができるからと言って主人公になるわけではありません。

当然そこには顔や性格、運なんて物も入るかもしれません。

たまたま試合の最後にシュートを決められたり

たまたま部下の失敗を最高のタイミングでフォローできたり。

いわゆる主人公補正というやつです。

そんな主人公に私の好きな人は恋をしていました。

だからこその例え話。

もし自分が小説の中の人物だったら。

もし主人公がそこらにいるモブキャラに過ぎなかったら。

夢中でその妄想に浸り、ふと見返してみるとその妄想の中の主人公は現実の主人公となんら変わらなかった。

自分を主人公にしてみたところでそれは現実の主人公の真似事。

自分はあくまでモブキャラだと自覚させられるだけの妄想と気づかされた私はそれでもずっとずっとずっと…………。

それがボクのお話を作る原点になりました。

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