職業、遊び人ですが?
第1章 女勇者と遊び人
部屋の中にある一枚のドア。
防音などの性能などはない最低限の設備である。その薄い仕切りの奥から聞こえてきたのは、
「神のっ…! ご加護をっ!!」
シスター色が濃いイザルタである。純潔を守るのは当然であろうし、ゼックスなどの貞操観念の欠如している男は一番毛嫌いするタイプだろう。
勝ち誇った笑みを浮かべる店員。神への祈りの中であるイザルタに何もできず、茫然自失のゼックスがいる世界が広がっている。その世界がどれだけ当たり前のことであろうか。
男女が事を行うことは互いに惹かれ合った結果のものである。
高尚であるべきもの。
そう、高尚であるべきものなのだ。
店員の目の前では肌の露出を控えるべき修道服のスカートが捲りあげられ、白い下半身が露になっているイザルタ。頬を赤らめ、手にはロザリオを強く握っている。
高尚なことであるはずの男女の交わり。
もう少し詳しく説明すれば、立ちバック。
「ほーら、神様とやらに言うべきことがあるんじゃないのか?」
「あはっ、ああんっ! 神様……申し訳あり、まぁっ! せんっ!!」
イザルタはロザリオをゴミでも捨てるかのよう場合によってポイっと投げる。そのイザルタの言葉も行動も深く考えないようにして店員はそっとドアを閉めた。