職業、遊び人ですが?
第1章 女勇者と遊び人
「ゼックスだなんて……あり得ない」
嫌な思い出しかないゼックスが勇者パーティー入りなど考えつかない。理解の範疇を超えたラルーの提案に店員の本音が漏れた。
勇者となれば、存在の有無も怪しい魔王は置いておいても、世界にはモンスターや悪人などが蔓延っている。それを討伐すべき職業である。
ウケ狙いパーティーではない! 店員がそう物思いに耽っている間に少女の前にはラルー酒場の在籍リスト。少女は困惑したようにゼックスのページを食い入るように見つめていた。
「うーむ。カッコいいですね!」
何の為か分からないが、手をクロスさせて逆光の中のゼックスの写真。店員には理解できない感情である。
「それに都会っぽい!」
言葉に訛りはないが、見た目は純朴そうな田舎者である。新調仕立てたばかりであろう服がよりあそおのぼりさんを濃くさせている。
「うふっ。色んなことを教えてくれるかもね」
ラルーの遊び心だったが、店員はたまったものではない。
「ええっと、あの……」
「職業のことかしら?」
少女は大きく頷く。
, 誰もが職業・遊び人のことは気になってしまうのは仕方がない。少女は大きく頷いた。
パーティーにおいて、戦闘価値がないならいざ知らず、邪魔までしてしまう。金喰い虫で勝手にお金を使う。レベル50で賢者に転職できるらしが、未だに転職した者は存在していない。しかも、レベルが稀少職業の比でないくらい極めて上がりにくい。
これが職業・遊び人である。