無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　パルテール王国には登録してある酒場が１８件と同じ規模の国の倍以上の数である。初級者から上級者、マニアック、美男美女などコンセプトは様々あるが、基本システムはどこも同じである。

　酒場の主人がスカウトしたり、自らを売り込んでくる者を酒場に登録して、パーティー集めをしている冒険者などに売り込む。仲間にしたときに発生する手数料で生計を賄っている。更にその人物やパーティーのランクが上がるほどにＳＨＩ（世界平和いいよね）から補助金も与えられることになっており、酒場ランクＳにでもなれば、巨万の富が得られる。

　全ての酒場がそれを目指しているわけでもないが、酒場ランクが低いとお客は来ず、廃業になってしまったケースも少なくない。


　街外れにある小洒落れた酒場は毎日が満員御礼の幕が貼り出されんばかりの賑わいをみせている。店を出してから５年で酒場ランクＢになり、女主人の美貌も相まって雑誌で特集されてもいるラルー酒場である。

　「やーっと見つけた！　ラルー酒場！　田舎者にはこの道は難しすぎるよ」

　そして、また一人、光輝く希望をが胸の早鐘を止められなくしている新人冒険者がラルー酒場へと歩みを進めていく。