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貧乳ヒメと書かない作家

第16章 黒幕

「脅されてた?」

千春は急な展開についていけなかった。


「はい。桐生先生は隠してたつもりでしょうけどね。

桐生先生がなぜホテル暮らしなのか知っていますか?」

「小説家はカンヅメしてこそ小説家だって言ってましたけど…違うんですね?」

松田は頷いた。

「僕が担当になる5年前。如月先生との共同制作が決まりました。
でも、如月先生の事務所の方から、原稿だけ送って欲しいと言われたんです。

それでも出来ないことはないのですが、先生同士の直でのやり取りは全くなかったので

プロ意識のある桐生先生はそんなことでは書けないと言われてました。

そこで事務所にはわからないように一度、ほんの数時間だけ如月先生と会う約束をしたのです。

ところがそれがバレてしまって、事務所からは大変批判されました」

千春はただ松田の言葉を呆然と聞く。


桐生先生が脅される?
桐生先生が脅したっていう方が飲み込めたわ…。
「そしてその日の夜、桐生先生が実家にかえると、





家に火がついてたんだ」


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